退職届・退職願・辞表の違い

退職届と退職願、そして辞表。どれも同じようなものと思われがちですが、実は少しずつ違う性質があります。ここではそれぞれの違いを解説します。

退職届の性質
退職届は「〇月○日をもって退職いたします」と、労働契約の解除を宣言するものです。普通は退職が決定した後に出されるものですが、撤回する可能性のない強い退職の意志を表明するときにも提出します。退職届を出すと、後に何らかの事情の変化があっても、退職を撤回することはできません。退職届を提出した時点で退職決定となります。

退職願の性質
退職願いは「○月○日をもって退職させてください」と会社側に願い出る書類です。退職したいという意思を会社側に伝えるもので、通常、退職する場合はまず退職願を提出することがほとんどになります。会社が退職を承諾して初めて退職になるので、承諾されないうちは状況の変化などによっては撤回することも可能になります。

辞表の性質
ドラマなどの退職シーンでは神妙な面持ちで辞表を提出するシーンを見かけますが、一般企業の一般的な社員は、退職する際に辞表は提出しません。

辞表を用いて退職するのは、企業の役員など重要なポジション人か公務員となります。簡単に言えば役職者や公務員の退職届ということです。役職者の場合は、役目や役職を辞するという意味合いのもので結果的に退職となることが多いからです。もちろん辞表で役職を降りて、一般社員として会社に残ることもあります。公務員を一般的な会社員に例えると、会社(役所など)=役職、行政=会社となるので、辞表を用いた退職となります。